在日外国人『障害者』年金訴訟を支える会2002年10月17日から数えて...のべ
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大阪高裁判決への抗議文(2005.11.9)大阪高等裁判所第12民事部
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在日外国人「障害者」の年金訴訟・原告団 |
さる10月27日貴職らは、国籍要件により在日韓国・朝鮮人障害者が障害基礎年金を受給できないことに対し、何ら憲法にも国際人権規約にも違反していないと、控訴人らの請求を棄却した。私たちは断じてこの判決を容認することはできない。
日本も批准している難民条約においては、日本人も外国人も平等に扱うことを規定している。同じく日本も批准している国際人権規約においても、民族や国籍などの理由による差別を厳しく戒めている。日本国憲法においても「人種や身分、門地などにより差別されない」(第14条)ことを明記している。
にもかかわらず、原審(京都地裁)では『自国民を在留外国人よりも優先的に扱うことも許されるべきもの』(2003年8月26日京都地裁判決、原文通り)と、国籍による差別を容認する判決を下した。これを正すために貴職らに控訴したにもかかわらず、貴職らの判決は原審判決以下のものであった。
何故「自国民を優先」することが「許されるべき」であるのか? 何故日本人に対してはきめ細かく無年金者を出さないための措置を作りながら、在日外国人に対しては無年金状態のまま放置されていても「合理性がある」ということになるのか? 何故国民年金法において数々の経過措置を作ってきた前例がありながら、外国人に関してだけ「一般法だから作れない」という理屈が成り立ってしまうのか? その他多くの矛盾、疑問に全くなんら答えることなく、司法としての判断を示すことなく、ただ、ただ、国・政府側の言い分をそのまま丸写しにしただけの判決であった。
しかも、控訴人らは「外国人一般」ではなく、かつての「大日本帝国」による植民地支配の結果として日本で暮らさざるを得なくなった者らであり、かつては「大日本帝国臣民」として扱われていたにもかかわらず、日本の敗戦によって本人の意思に関わりなく「日本国籍」を奪われた者とその子孫らである。法的にも「一般外国人」とは区別して「特別永住者」という地位が認められている者らである。裁判の中でそのことは何度となく強調されていた。にもかかわらず、判決はその点に一切触れることなく、ただの「外国人一般」としての内容でしか述べられていない。もちろん、その他の在日外国人であっても日本社会の一員として暮らしていく以上は誰しも等しく社会保障を受ける権利はある。だが、特に在日韓国・朝鮮人の場合はそれ以上にある。かつての日本の政策によって日本で暮らさざるを得なくなったのであり、もう実に四〜五代に渡って日本社会の一構成員として暮らしてきている歴史的な背景を考えるならば、一般的な「権利」という以上に、在日韓国・朝鮮人が(特に障害者・高齢者らが)置かれてきている悲惨な実態を改善し、救済する責務が日本政府にあることは明らかであろう。
日本政府は、1965年日韓協定以後に在日韓国人に「協定永住」を認めている。ところが、その在日韓国・朝鮮人らを年金制度から閉め出した理由として「外国人が必ずしも安定的に我が国に在留すると見られなかった」から、閉め出したのは合理的であると判決文は国側の主張をそのまま受けて述べる。一方で「特別」永住者としながら、他方では「外国人は一時的に滞在するだけだから25年間掛け金を払う年金制度には当てはまらないと除外することは当然」としている。こうした矛盾する主張を判決は何の検討もせずにそのままに受け入れている。
国際人権規約についても、批准国がそれぞれ勝手な解釈をしていては国際法としての意味をなさない。規約人権委員会の定めてきた統一見解に基づく解釈をするべきなのだ。それは、選定議定書を批准しているかどうかとは関係なく、国際人権規約を批准している以上は当たり前のことである。批准国がそれぞれ勝手バラバラな解釈をしていては意味をなさないことは誰にでもわかる理屈である。ところが、貴職らはまたしても日本独自の解釈をふりかざし、国際法を無視・軽視する暴挙を繰り返している。「差別は許されないこと」「差別をなくしていく過程でどうしてもやむを得ない差異についてだけ、厳しい合理性の下でのみ認められる」という国際的な解釈を無視し、「今すぐに差別をなくさなくてもいい」「大まかな合理性らしきものさえあれば差別は認められる」といった、これまでの日本独自の、実に恥ずかしい解釈を振り回している。
控訴人らは、同じ在日韓国・朝鮮人障害者らの実態を細かく調査し、その悲惨な実態を立法府が放置してきていることに対する司法としての判断を求めた。日本社会の一員として永住を認められ、税金をおさめつづけているにもかかわらず、参政権すら保障されていない控訴人らにとって、司法の正しい判断を求める以外に手段はなかった。ところが、貴職らは、全てを「立法府の広範な裁量権」に集約してしまい、『立法府の職責であって、司法の関与するところではなく』(判決文、原文通り)と、自ら司法としての責任すら明確に放棄してしまっている。
社会保障から閉め出され、子どもを生かすために母親が自らの生命保険金を当てにして自殺しようとする。外国人であり、障害者であるという二重の差別の中で「人並みの生活」をしていける見通しが持てず、結婚も出産もあきらめざるを得ない。盲・ろう・養護学校の中では「チョーセン」「臭い」といじめを受け、時には生命の危険さえ感じる。そうした実態をこれまで放置しつづけてきたのも「立法府の裁量」であり、「合理性がある」と、司法が言うならば、それでは控訴人らはいったいどこに訴えればいいと言うのか?どこに訴えられる場所が残されていると言うのか?
そうした差別の実態を、無年金であるが故の悲惨さを、これまでずっと実に戦後60年もの間放置しつづけてきた立法府は「正しい」のか?「誤っていない」のか? これまで何度となく国会でも取り上げられてきているようにその差別の実態を「知らなかった」ということではなく、また控訴人らが裁判の中でいくつかの例をあげて証明してきたようにその実態を改める手段もそのための力もありながら、60年間何一つ救済しようとせずに放置しつづけてきた政府・立法府は何の問題もないのか? 司法が『関与するところではない』と、それを裁くことを放棄してしまうのであれば、いったい誰がそうした政府・立法府を裁くのか? 法律の条文を上っ面だけで解釈し、立法府がそう決めたことなら在日韓国・朝鮮人障害者や高齢者らが自殺に追い込まれようが、悲惨な生活を送りつづけようが、70歳になっても80歳になってもガタガタになった身体に鞭打って働きつづけなければならなかろうが、司法は「関与しない」と言うのか?! それではいったい何のための司法なのか?!
人間としての熱い血が流れるのであれば、正義と平等を守る法の番人としての自覚がわずかでもあるのならば、こうした控訴人らの訴えに向かい合おうとせずに「司法の関与するところではない」などと、すがりつく手を激流の中に突き放すようなことが何故できるのであろう?
司法は、控訴人らのこれまでの生活史ならびに生活実態を直視し、国際人権規約ならびに憲法第14条に謳われた「法の下の平等」の本来の精神に立脚し、在日の無年金問題の差別性を解釈すべきである。私たちは、10月27日の大阪高裁第12民事部による「判決」を満身の怒りをもって糾弾する。これは司法としての責任を自ら放棄し、国際社会に背を向けた恥ずべきものである。
2005年11月9日
年金制度の国籍条項を完全撤廃させる全国連絡会
代表:李 幸宏
事務局:601-8022京都市南区東九条北松ノ木町12 エルファ
Tel 075-693-2550 Fax 075-693-2577
Email ![]()
日頃のご活躍に敬意を表します。
私たち「年金制度の国籍条項を完全撤廃させる全国連絡会」(以下、「全国連」)は、約20年にわたって在日外国人無年金障害者・高齢者の年金保障を求め続けてきました。2002年にはやっと、当時の厚労大臣坂口氏から在日外国人も含めた無年金障害者救済案が出されました。そして、2004年にはいわゆる無年金障害者救済法(特定障害者に対する特別障害者給付金の支給に関する法律)が作られました。ところが、この救済法から、またもや在日外国人は閉め出されてしまったのです。
私たちは、こうした差別をなくし、在日外国人障害者・高齢者に対しても年金(もしくはそれに匹敵するもの)が支給されることを求める請願を出していきたいと思います。
どうかぜひご協力お願いします。
◎ 請願署名について
どうか一人でも多くの署名をお願いしたく思います。国会に提出する請願署名ですが、日本国籍を有するかどうかなどには一切関係なく、すべての方々が積極的に署名してくださるよう、お願いします。
署名用紙については、もしできましたら、ご自由にコピー、印刷して周囲の方々にも手渡していっていただけるとうれしく思います。
* PDF ファイルを用意しています。こちらをプリントアウトされて署名用紙としてご使用下さい。
2005年の国会にあわせて提出したく思っていますので、第1次集約〜6月4日までにできるだけ多く集めて、上記の全国連事務局まで送ってください。(第1次集約に間に合わなかった方、団体は、第2次集約〜10月31日までにお願いします)
◎ この問題について、現在京都や大阪などで3件の裁判が進められています。
それら裁判の資料も含めて、署名を進める上でより詳細な資料を必要とする方はご遠慮なく、左記全国連事務局まで、お問い合わせ、ご請求ください。
また、諸団体におきましては、この問題についての学習会等を設定していただける時は、喜んで全国連の各地メンバーを紹介、派遣させていただきますので、ぜひご連絡ください。
◎ 支援カンパのお願い
私たち全国連は、無年金在日外国人障害者等を中心とした集まりです。署名用紙の印刷、郵送、そして各地から国会への上京資金等々の費用にも事欠く状況にあります。どうか支援カンパもあわせてお願いしたく思います。
カンパは、請願署名用紙末尾にあります全国連口座宛に振り込んでください。
以上、どうぞよろしくお願いいたします。